日々の事等
小話ばかり溜まっていきます。
リクエストが後ちょっとで全部書けそうなので、それが終ったらサイレンも一つちゃんと書きたいです。
リクエストが後ちょっとで全部書けそうなので、それが終ったらサイレンも一つちゃんと書きたいです。
まだ日も昇りきらない頃に朧は現れた。
チャイムに起こされて姉弟が玄関に向かい、それが朧と知ったフブキはダッシュで部屋に戻っていく。
さっきまで「誰だこんな朝っぱらからうるさいな~」とか文句言ってたくせに、とアゲハは思いながら、まだ眠い目を擦る。
「彼女も一緒に連れて行くからさ…いいだろ?」
「いいだろって…オレがいいっつっても雨宮が行くかどうかはわかんねーだろ? その、別に……雨宮はオレの彼女って訳じゃねーし……」
「(ああ、彼女をそっちで勘違いしたか) そっか。伊豆はいいとこだよ。観光地だし、温泉もあるし海もある。時間があったら温泉宿に泊まって海水浴もいいんじゃないかな。宿代くらいは出すよ」
「温泉……雨宮と温泉(混浴ではない事は百も承知だが混浴を想像する青少年)」
「景色もいいしね~。露天風呂があれば最高だね。海に行くなら水着も用意した方がいいかな。現地調達でも構わないけどね、僕は」
「水着……雨宮の水着(普段の服を考えたらビキニはまずないだろう。それでもヘソは見たい)」
「泊まるなら和室がいいね。浴衣も似合うんじゃないかな、見てみたいよね?」
「浴衣……雨宮の浴衣(浴衣、風呂あがり、ほわほわ)」
「どうかな?」
「行く」
「そうか良かった。あ、そうだ。朝河君にも連絡した方がいいかな」
「朧……」
「何?」
「お前を漢と見込んで頼む。アイツは呼ぶな」
「いいよ。ところでアゲハ君」
「んあ?」
「僕は彼女と言ったけれど……それが雨宮さんとは言ってないんだが」
アゲハの時が止まる。
何か言おうとして言えず、物凄く短い時間で怒ったり照れたり一人百面相をするアゲハを見ながら朧は一人、他人を掌で転がす優越感に浸るのだった。
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