忍者ブログ
日々の事等
[205]  [204]  [203]  [202]  [201]  [200]  [199]  [198]  [197]  [196]  [195
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

昨日書きかけていた小説が、どんなタイトルで保存していたかすっっっっかり忘れてしまいました。
どうやっても思い出せなくて仕方なくファイルの中のaから順番に探して行くと、見つかったタイトルの頭文字はw。
最後の最後やん。

どうして思い出せなかったんだろう~。
逆さまから探せば良かった~。

続きから第三話です。

「流行り病3」

ポケットの缶詰めのせいで、一歩歩くごとにボコボコと足に缶が当たって非常に具合が悪い。

明神は不機嫌な顔でうたかた荘に向かった。

まあでも、これを冷やして今晩風呂上りにでも姫乃と…と考えればまだ前向きになれる。

ビニール袋くらいくれりゃあいいのにと思いながらも、玄関まで辿り着いた。

「ただいま~。」

言いながら玄関をくぐると、直ぐ目の前の廊下に姫乃が立っていた。

「あれ、ひめのん。ただいま。」

「…。」

姫乃は背中を向けて、壁に体をあずけている。

「…どうかした?」

心配になって明神が側に寄ると、姫乃はくるりと振り返った。

両手で頬を押さえている姫乃の顔は、明らかに真っ赤になっている。

「おかえり…。なんかね、明神さんが出てからこう、顔が何か熱くて。でも何か寒くて。」

ぼおっとした顔で言う姫乃の目は涙目になっている。

「ちょっと、ゴメン。」

明神が姫乃のおでこに手を当てると、「ジュウ」と音がするかと思う位熱かった。

「…ひめのん、これ風邪じゃねえ?」

「え!嘘!私は大丈夫だと思ってたのに!!」

その自信は何処から来るのか。

「病院行った方がいいなあ。ひめのん送るし、用意してきなよ。」

「え、病院?いいよ!そんな大した事ないし…。」

「大した事ない人間が、歩きもしないで壁によっかかったりしないだろ?」

自分が怪我をした時は病院に行きたがらないけれど、姫乃が風邪をひけば病院へ行けと勧める。

姫乃は「自分は行かないくせに」と思いながら。

「あ、でも駄目。」

「何で。」

「時間。もうやってないよ今日。」

「…病院って、夜はやってねーの?」

「時間にもよるけど…。もう七時過ぎちゃってるし。終わってるよ。」

「ええと…じゃあ薬局!薬買ってくる!熱は?」

「あると思う。フラフラする。」

「喉痛い?」

「ううん。」

「お腹痛い?」

「ううん。」

「ええと…頭痛い?」

「ううん。何か、しんどい。」

自分が風邪だと認識すると、とたんに人間弱くなる。

姫乃はへなへなと座り込んだ。

慌てて支える明神。

「エッちゃんが言ってた症状と一緒だあ。目が回る…。」

「と、とりあえず寝とけ、な?」

明神はひょいと姫乃を抱えて持ち上げた。

「わ…ちからもち。」

えへへえ、と笑う姫乃。

「笑ってる場合か。」

トントンと階段を上る。

「気合…。」

「ん?」

「気合足りなかったかなあ~。」

昼頃の会話を思い出す。

そういえば、そんな事を言ってしまった気がする。

「いや何つーか…。ほら、別にひめのんが気合無いから風邪ひいたとかじゃなくてね。」

「でも馬鹿じゃなかった~。」

「やかましい。」

両手が塞がっていたので軽く頭突きして抗議の意を表してみる。

ぶつかったおでこが熱くて驚いた。

姫乃はかまわずえへへと笑う。

ふざけるのはここまで。

明神は黙って軽い体を姫乃の部屋に運び、布団を敷いてやると寝かしつけた。

4に続く



PR
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment
password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
フリーエリア
最新CM
[03/26 つくし]
[03/08 如月]
[02/01 つくし]
[01/05 如月]
[12/10 つくし]
最新TB
プロフィール
HN:
つくし
HP:
性別:
女性
趣味:
本を読む。音楽を聴く。
バーコード
ブログ内検索
最古記事
カウンター
Powered by Ninja Blog Photo by COQU118 Template by CHELLCY / 忍者ブログ / [PR]